ちょうど映画の画像が、真実のごとく見えていながら、実際は光と陰の合成にすぎないように、宇宙の諸現象もまた単なる幻影にすぎない。
多種多様な生命体を擁するこの天体宇宙は、まさに宇宙映画なのである。
すなわち、神の無限の創造光線によって人間意識のスクリーンの上に映し出された宇宙ドラマの立体映画を、人間の五感が真実のものと感じているにすぎないのである。
多彩な宇宙映画もまた同様に、宇宙の本源から発する一つの無色の光から出来ているのである。
神は、はかり知れぬ巧妙さをもって、その子らである人間を楽しませるために、彼らを宇宙劇場の俳優兼観客に仕立てた。
人は、この世界が単なる巨大な映画にすぎず、自分の実体はこの画面の中の自分ではなく、この画面を超越した別のところにあるということを真に悟るようになったとき、その人の価値は根底から変わってくるのである。
パラマハンサ・ヨガナンダ「あるヨギの自叙伝」より