「遺伝子オンで生きる」村上和雄

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遺伝子オンで生きる

遺伝子を活性化させる

世の中にはすぐれた能力を発揮する人がいます。

普通の人とすぐれた人との違いは「ほんの少し遺伝子の働きが活発なだけ」なのです。

普通の人が遺伝子の3%から5%を使っているとき、すぐれた人は6%から8%かせいぜい9、10%使っているだけです。

 

では、自分の遺伝子にどうやってもっと働いてもらうのか?

長年の遺伝子研究では、遺伝子にはスイッチのようにオン/オフの機能があることがわかっています。

自分にとって好ましい遺伝子をスイッチ・オンにして働いてもらい、好ましくない遺伝子はオフにして眠らせる。

遺伝子オンの生き方とは、遺伝子の能力を自分でコントロールして生きるということです。

 

遺伝子オンにするには

人間の思いや心の働きというものが、遺伝子に対して想像以上に大きな影響与えています。

いい遺伝子のスイッチをオンにするためには、喜び、笑い、感動、前向きな気持ちが大切です。

しかし、人生というのは、そう都合よく運んでくれません。

いくら「前向きに考えろ」といわれても、境遇や状況がそれを許してくれないこともあります。

 

どうすれば、遺伝子のスイッチ・オンへもっていけるのでしょうか?

  • 環境を変えて遺伝子オン
  • よい出会いで遺伝子オン
  • 強い志で遺伝子オン
  • 他を利する生き方で遺伝子オン
  • 感動して遺伝子オン
  • チャレンジして遺伝子オン
  • 愛でスイッチ・オン
  • 祈りでスイッチ・オン 

 

感謝モードで逆境を肯定的にとらえる

現実の世の中ではよいことばかりは起きません。

感謝するどころか、頭にきたり、恨んだり、がっかりしたりすることのほうが多いいのです。

そういう中でいかに感謝の気持ちをもちつづけられるか。

感謝の気持ちをもつコツは、何にでも「感謝モード」で対処してみることです。

自分の身に降りかかってきたことはすべて感謝に値すると思うのが大切です。

そういう態度でいると、感謝ができるような方向に事態は進展するものです。

これは不思議でも何でもありません。

よい遺伝子がオンになって、よい方向へと導いてくれるからなのです。

 

内側の声に従う

何かを決心するとき、内側から声が聞こえてくることがあります。

本当に大切な情報は内側から出てくるのです。

だから迷うときは迷うに任せていいのです。

ただし、一生懸命にそのことについて考えつづけることです。

すると「自分の気持ちに逆らえない」かたちで、内側からの声が聞こえてくるのです。

人間は内なる声を聞くとイキイキする。

これはいい遺伝子がスイッチ・オンになったからです。

そういうときは理性が逆らっても、内なる声にしたがうほうが結果はいいようです。

 

直感を信じる

動物には鋭い直感力があって危機を察知します。

人間にもかつてはその種の能力が備わっていました。

この能力は遺伝子としてみんながもっていて、そのスイッチがオフになっているだけかもしれないのです。

人類の歴史を見ても、知性はずっと後から出てきたものなのです。

知性の歴史なんてつい最近なのです。

文明が発達する以前の人間は、体、感性、直感で動いていました。

 

高い志でベストを尽くし、あきらめない

高い志をもち、ベストを尽くす、そしてあきらめない。

この三つを守れば、誰もが何事かを成就できます。

この三つは遺伝子のスイッチ・オンそのものだからです。

「そういう考え方にはなれない」という方もいるでしょう。

そういう人は、「いつもイキイキワクワクと考え、生きること」です。

他に何も考える必要はありません。

これで遺伝子は必ずオンになるのです。

遺伝子オンの極意がこれなのです。

 

宇宙には意志がある

自然には、山とか川とか「目に見える自然」があります。

もう一つ「目に見えない自然」というものがあると思うのです。

生命は、宇宙、地球、サムシング・グレートが、膨大な時間を費やしてつくり出した最高傑作です。

人間の知恵や工夫でできたものではないのです。

そのことをけっして忘れずに謙虚な気持ちで接することが大切であると思います。

そのような態度が、遺伝子オンで生きるための最低の条件であるのかもしれません。

 

 

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村上 和雄 サンマーク出版 2010-06-15
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村上和雄(むらかみ・かずお)
1936年生まれ。筑波大学名誉教授。63年京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻、博士課程修了。同年米国オレゴン医科大学研究員、68年京都大学農学部助手。76年バンダビルト大学医学部助教授。78年筑波大学応用生物化学系教授となり、遺伝子の研究に取り組む。83年高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に成功、世界的な業績として注目を集める。94年より先端学際領域研究センター長を務めた。96年日本学士院賞受賞。

 

 

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