「体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品」渡辺雄二

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「体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品」渡辺雄二

 

歯を磨く、うがいをする、体を洗う、髪を洗う、風邪をひいたら風邪薬を飲むなどの当たり前になっている習慣が、体のさまざまな不調の原因になっていることがあります。

なぜなら、日常的に使っている生活用品や医薬品、化粧品などが、体の機能を低下させたり、皮膚や毛髪、胃腸、肝臓などにダメージをあたえたりするケースがあるからです。

そもそも人間の体というものはひじょうにうまくできていて、障害をおこす原因が何もなければ、健康に長生きでるはずなのです。

体は自己を正常に維持するために、病原体を排除したり、傷口を修復したり、がん細胞の増殖を抑えたりと、必死に機能しているからです。

余計な医薬品や生活用品などの使用をやめれば、体は自らの機能を正常に保つことができるようになって、病気になりにくくなるはずです。

 

歯磨き粉を使って歯を磨くこと

歯周病の人は、5人に4人といわれています。

実はその原因は、歯磨き粉を使って歯を磨いているからです。

歯磨き粉を使って歯を磨くのが当たり前と思っている人がほとんどだと思います。

しかし、これこそが歯周病がこれほど多い最大の原因なのです。

なぜなら、歯磨き粉を使うと、歯周病を引き起こす歯垢を十分に除去できないからです。

市販の歯磨き粉には、皮膚障害やアレルギー、がんなどを起こす可能性がある化学合成物質が使われています。

さらに、腐敗するのを防ぐ保存料のパラベンが使われていて、口内や舌などの細胞に対しても毒性を発揮する可能性があります。

また、市販の歯磨き粉には、刺激性のある化学合成物質がいくつも配合されています。

ですから、歯を磨いていると、舌や歯や口内粘膜が刺激されるのです。

歯磨き粉を使うと、こうした刺激があるため、どうしてもブラッシングの時間が短くなってしまいます。

これでは口内トラブルの元凶となる歯垢を十分とり除くことはできないのです。

 

歯垢は、食べかすと細菌と細菌の代謝産物が合わさったものです。

したがって、それができないように、まず食べかすをきれいに除去することが必要です。

食事をした後あまり時間をおかずに、歯磨き粉を使わずに歯ブラシのみで丁寧にブラッシングするのが歯にとってよいのです。

これが歯周病を防ぐために何より大切なのです。

その際、通常歯磨き粉は使いません。

手早く歯と歯茎の境目を丁寧にブラッシングして、食べかすの付着をなくすことが重要です。

 

ボディソープで体を洗うこと

肌のかゆみや発疹、発赤などの肌トラブルを抱えている人は少なくないと思いますが、その原因は毎日使っているボディソープかもしれません。

市販のポビュラーなボディソープには、台所用洗剤の成分が配合されている「ラウレス硫酸Na」と洗濯用洗剤に配合されている「ラウレス‐4」いう成分が配合されています。

つまり、ボディソープには、台所用洗剤と洗濯用洗剤に使われている合成界面活性剤が配合されているということなのです。

皮膚に対する刺激性、また河川を汚染することなどを考えると、市販のボディソープを使うことは考えたほうがよいでしょう。

 

少し昔に戻って、石けん(脂肪酸ナトリウム)を使うほうがよいと思います。

特にお薦めしたいのが、無添加の固形石けんです。

これは、脂肪酸ナトリウムのみで、香料や着色料などは一切使われていません。

そのため、刺激性がほとんどないのです。

最近では、ドラッグストアなどでも容易に入手することができます。

 

シャンプーで髪を洗うこと

最近、とても気になることは、髪の毛の薄い人が多いことです。

その原因は、毎日行っているシャンプーを使った洗髪にあると考えられます。

もし髪や頭皮にトラブルを抱えているとしたら、使っているシャンプーに含まれている合成界面活性剤やそのほかの化学合成物質が、髪の毛や毛根にダメージをあたえて、髪の毛が少なくなっていると考えられるのです。

毎日市販のシャンプーで髪を洗っていると、髪の毛を形成しているキューティクルが破壊されて、髪が傷ついてしまうことがあるのです。

髪によかれと思ってしている毎日の洗髪が、シャンプーに含まれる合成界面活性剤などの影響によって、逆に髪を傷つける結果になっていると考えられるのです。

そして、このキューティクルの破壊が抜け毛と関係しているのです。

さらに、シャンプーの成分が、毛を作り出す毛根部にダメージをあたえ、毛が作られにくくなって、結果的に薄毛になっていることも考えられます。

 

そこでお薦めしたいのが、石けん、または石けんシャンプーによる洗髪です。

石けん、あるいは石けんシャンプーで洗うと、キューティクルが傷つきません。

石けん、シャンプーを使っていると、キューティクルがきれいに保たれることがわかっています。

 

サプリメントの効果は不明

サプリメントは、医薬品と同様に「効果がある」と思っている人が多いようですが、それは大きな勘違いです。

医薬品の場合、人間を対象にした臨床試験が行われて、それらが立証されたものが、製造と販売を認められます。

しかし、サプリメントについては、そうした試験は行われていません。

したがって、効果も安全性もよくわかっていないのです。

消費者の中には、「サプリメントは医薬品と違って副作用がない」と思っている人も多いようですが、そうとはいえません。

それまで国民生活センターや全国の消費者センターには、サプリメントを含めた健康食品によって被害を受けた人の苦情や相談がたくさん寄せられています。

中には体に障害を起こすものがあるので、注意しなければなりません。

 

風邪薬は免疫力を弱める

風邪薬で風邪は治りません。

風邪のウイルスを撃退できるのは、体の免疫しかありません。

リンパ球などからなる免疫システムが風邪ウイルスを攻撃することで減らし、風邪を治してくれるのです。

抗生物質は細菌を殺すことはできても、ウイルスには効きません。

ですから、粘膜の炎症にともなって増殖した細菌を減らすことはできますが、風邪を治すことはできないのです。

 

免疫は体温が高いほうが強まる

免疫に関してとても重要なことがあります。

それは、免疫は体温が高いほうが強まるということです。

風邪をひくと熱が出るのは、免疫がウイルスと戦っているからですが、それは結果的に体温を高めて免疫力を強めることになるのです。

また、風邪ウイルスは高温に弱いので、ウイルスの活動を抑えることにもなります。

ところが、風邪薬を飲んだら、解熱鎮痛剤によって熱を無理に下げてしまうことになるので、免疫力が弱まってしまうのです。

さらに、風邪ウイルスの勢いを増してしまうことにもなります。

風邪の諸症状は、いわば風邪を治そうとして起こる現象でもあるのです。

発熱は、免疫力を高めて、ウイルスの活動を抑えます。

また、咳やたん、鼻水は、ウイルスを体外に排除しようとする体の反応なのです。

風邪の症状は辛いものですが、やたらと風邪薬で抑え込むとウイルスを排除できず、かえって治りにくくなってしまうのです。

 

風邪を治すうえでもっとも重要なことは、免疫力を高くしてウイルスを撃退する態勢を作ることです。

そのためには、栄養を十分にとって、体温を高く維持することです。

また、ビタミンCをとるのも有効です。

 

体にとって本当にいいものを使う

必要のない医薬品や生活用品などを使うことによって、「肌が荒れる」「毛が薄くなる」「歯周病になる」「風邪をひきやすくなる」「がんになる可能性が高まる」可能性が高くなります。

そして、それを引き起こすのは、主に製品に含まれている化学物質です。

現在、私たちはおびただしい化学物質に取り囲まれて生活しています。

それらは日々私たちの体に入り込んでおり、その結果、体にさまざまな悪影響が現れていると考えられます。

体にとって本当にいいものを使うということは、体のさまざまな不調の原因となっている化学物質の使用をやめることで、アレルギーやがんの発生要因を減らすことにもつながるのです。

その意味でも、日常的に使っているものの成分表示を確認する習慣をぜひとも身につけていただきたいと思います。

 

<目次>
NGその1. ヨードうがい薬でうがいをする
NGその2. 歯磨き粉を使って歯を磨く
NGその3. ボディソープで体を洗う
NGその4. シャンプーで髪を洗う
NGその5. 健康のためにサプリメントを飲む
NGその6. お風呂に入浴剤を入れる
NGその7. 除菌剤で室内空間を殺菌する
NGその8. 腰の痛みに貼り薬を貼る
NGその9. 美白化粧品を使う
NGその10. ダイエットのためにカロリーオフ食品を食べる
NGその11. 美肌のためにコラーゲンサプリを飲む
NGその12. 風邪をひいたら風邪薬を飲む
NGその13. お腹をくだしたら下痢止めを飲む

 

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渡辺雄二
1954年生まれ。栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒業。消費生活問題紙の記者を経て、82年からフリーの科学ジャーナリストとなる。食品、環境、医療、バイオテクノロジーなどの諸問題を提起し続け、雑誌や新聞に執筆し、現在にいたる。とりわけ、食品添加物、合成洗剤、遺伝子組み換え食品などに詳しい。
著書に『体を壊す10大食品添加物』(幻冬舎)、『食べるなら、どっち!?』(サンクチュアリ出版)、『食べてはいけない添加物 食べてもいい添加物』『食べてはいけないお弁当 食べてもいいお弁当』(ともにだいわ文庫)、『早引き・カンタン・採点できる食品添加物毒性判定事典』(メタモル出版)、『食品添加物の危険度がわかる事典』(KKベストセラーズ)、『食べて悪い油 食べてもよい油』(静山社文庫)、ミリオンセラーとなった『買ってはいけない』(共著、金曜日)などがある。

 

 

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