「長生きしたければ朝食は抜きなさい」東茂由、甲田光雄

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長生きしたければ朝食は抜きなさい―体の不調を根本から改善する驚異の「甲田式健康法」とは

食べ過ぎが体をいじめている

健康を損なう要因は、様々あります。

ストレス、働き過ぎ、栄養のバランスを無視した食事も病気を招きます。

その中で最大の要因は『食べ過ぎ』にあります。

食べ過ぎは、肥満を招くことはもちろん、様々な病気の発生につながっていきます。

 

少食こそ健康の原点

「腹六分」に病なし

体調が悪いと思ったら、食べる量を少なくしてみることです。

食事の量を減らすだけで体調がよくなり、血液検査の数値が改善するはずです。

食べ過ぎがいかに体調不良の原因になっているか、実感できるはずです。

 

食事を断つと生命が復活

現在の栄養学の常識では、一日3食とることが正しいということになっています。

しかし、このような規則正しさは、健康にとって害のほうが大きいといわざるをえません。

30億年の人類の歴史のなかで、食事を断つと生命が復活するという情報が遺伝子にインプットされています。

体調が悪くなったら食事を断つという情報が組み込まれています。

動物はみなこれに従っていますが、人間は従いません。

食事を断ったら衰弱する、という考えが先に立つからからです。

 

午前中は排泄の時間

朝食は健康にとって、有害物以外の何物でもありません。

なぜなら、排泄すべき時間帯である午前中に食べるからです。

午前中は、老廃物を排泄して、胃腸を休ませるべきときです。

その時間帯に食べるということは、排泄にブレーキをかけることになるのです。

現代医学は、だす(排泄する)ということをまったく無視し、おろそかにしています。

朝食をとる習慣を長年つづけていると、排泄すべき時間帯に胃腸に余計な負担をかけることになります。

結果的に胃腸の働きを弱め、宿便をため込む原因になります。

そして、それが肝臓、腎臓などの他の臓器へも影響を及ぼし、やがて様々な不調や、病気をもたらすことになります。

 

食べ過ぎは宿便をためるもと

食べ過ぎは、腸の働きを低下させ、宿便をためるもとになり、様々な病気を引き起こします。

宿便が血液を汚し、万病をつくります。

宿便は異常発酵、つまり腐敗して、それが体内に吸収されてしまうからです。

腐敗の過程で毒素がつくられ、それも一緒に腸の粘膜から吸収され、血液のなかに入っていきます。

血液中にそうした腐敗物や毒素が吸収された結果、頭痛、肩こり、めまい、倦怠感など様々な症状を引き起こすことになります。

宿便がたまると、ついには、脳梗塞や心筋梗塞、ガン、膠原病、アトピー性皮膚炎など、様々な病気を引き起こすことになるのです。

宿便をためないためには、少食を習慣にして、つねに食べ過ぎないようにすることが最善の方法です。

 

一日3食がいけない理由

一日3食は現代の食生活の常識です。

しかし、日本人が一日に3回の食事をとるようになった歴史は新しく、江戸時代からといわれています。

消化吸収のことを考えると、一日3食では食事と食事の間隔が短すぎ、胃腸を休める時間がありません。

食べてから完全に消化吸収されるまでには、およそ18時間かかります。

一日に3食を食べると、前の食事で摂取したものが胃腸で消化されているあいだに、つぎの食事をとっていることになります。

 

朝食抜きは快感

仕事や学習、運動の能率が上がるのは、満腹より空腹のときです。

早ければ1週間、どんなに遅くても1ヶ月で、朝食抜きの一日2食に慣れて、空腹が我慢できるようになるはずです。

朝食を抜いても、ふらふらなんかしません。

脳の働きが低下するどころか、かえって頭はすっきりと冴え、よく働くものです。

 

一日2食はダイエットにも最適

一日2食の少食療法はダイエットにも最適です。

朝食を抜き、一日2食にすると、まず水分の排泄が促され、むくみがとれてきます。

そして、体は脂肪を分解し、エネルギー源としてつかうようになるので、脂肪がとれてくるといいます。

太りやすい体質の人でも、一日2食にすると確実にダイエットできます。

 

腸内細菌のバランスもよくなる

腸内細菌叢のバランスがとれていることは健康を保つ重要な条件です。

朝食抜きの一日2食の少食にすると、腸内細菌叢が正常になってきます。

空腹が8時間以上つづくと、排便を促う「モチリン」というホルモンが分泌されます。

朝食を抜いて空腹の時間が長いぶん、モチリンがいっそう活発に分泌されるため、さらに排便が促され、腸内の掃除に役立つのです。

 

断食で治療力を引き出す

断食とは、3日以上、水分以外は摂取しない本断食のことです。

断食の効果は、ほかのどのような療法とも比較できないほどすぐれているといいます。

断食の最大の目的は、食べ過ぎによる体内の余分な栄養をとりのぞき、人間が本来もっている能力を最大限に呼び戻すことにあります。

この能力とは、病気を治す自己治癒力や免疫力です。

断食は、食物をいっさい断ち、補給をしないので、体は飢餓状態に追い込まれ、それが大きなストレスになります。

そして、そのストレスにたいする反撥力としてショック状態を引き起こします。

栄養の補給を完全に断たれると、体内ではかつて経験したことがないほどの大きな変化が起こります。

こうして反撥力が働き、体の仕組みを大きく変動させます。

つまり、体質改善がなされるわけで、その過程が様々な病気・症状を治す力(治癒力)となってあらわれるのです。

 

週一の一日断食で別人の体に

家庭でできる手軽で安全な健康法に「一日断食」があります。

1週間のうち一日だけ、いっさい食事をとらない断食法です。

一日断食の効果のひとつは大量の宿便が排泄されることにあります。

これに、一日2食の少食療法を併用すると、さらに病気になりにくい丈夫な体になります。

それほどの効果が得られる理由は、内臓を十分に休息させることができるからです。

1週間に一度の一日断食を1年間継続すれば、本断食にも匹敵するほどの効果が期待できます。

半年、1年後には別人のように体が引き締まり、健康になったことを自覚するはずです。

 

 

長生きしたければ朝食は抜きなさい―体の不調を根本から改善する驚異の「甲田式健康法」とは (KAWADE夢新書)

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東 茂由(ひがし しげよし)
1949年、山口県生まれ。早稲田大学教育学部卒。現代医学から東洋医学まで幅広い知識・情報力で、医療の諸相を追求。
『スポーツニッポン』(大阪本社版)の長期連載をはじめ、医療・健康誌、ビジネス誌などで精力的に取材・執筆。著書は『子供の体に異変が起きている』(小社刊)はじめ多数。

甲田光雄(こうだ みつお)
1924年、大阪府生まれ。大阪大学医学部卒、医学博士。現在、甲田医院院長、日本綜合医学会会長、大阪大学非常勤講師。現代医学に限界を感じ、薬や手術に頼らない自然治療を五十数年間実践研究する。人間本来の治癒力を高め、難治とされる種々の疾患に挑戦。その高い治療実績は、医学界、マスコミが注目している。

 

 

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