「九月花形歌舞伎」を観に行ってきた。
夜の部は『陰陽師』
陰陽師は夢枕獏が1986年に発表してベストセラーに!
漫画や映画、ドラマでも人気となった。
魑魅魍魎が跋扈する怪しい世界において、陰陽師・安倍晴明が秘術を使って、鬼や妖怪を鎮める不思議な世界がとても面白かった。
今回の歌舞伎の陰陽師は、新作として歌舞伎で初めての舞台化だった。
陰陽師の歌舞伎版も、期待を裏切らず、壮大なスケールで楽しむことができた。
市川海老蔵が演じた憤怒と化した平将門は迫力満点だった。
市川染五郎が扮する安倍晴明は清廉ながらどこか怪しげな雰囲気をうまく醸しだし、中村勘九郎の源博雅はコミカルでありながら見事な風流人を演じていた。
女方も綺麗であった。
怪しいまでの美しさを放つ尾上菊之助の滝夜叉姫。
中村七之助の桔梗の前の役も、本物の女性とまがうほどの美しさだった。
また、「半沢直樹」でも活躍した愛之助の悪役振りなど、憎々しいほど素晴らしかった。
九月の歌舞伎は、次代を担う花形だけの一座だった。
重鎮がいない若手の舞台であったが、芸をしっかりと継承しているだけではなく、心情豊かに演じる姿を見て、伝統のすごさを感じるとともに、歌舞伎の明るい未来を感じた。
歌舞伎を観ると、自分はやはり日本人なんだとつくづく感じる。
また、近い内に観に行くことにしよう。