雲黒斎さんのスピリチャル小説「極楽飯店」は、守護霊さんに導かれて書いた話とあって、面白くて一気に読んでしまいました。
ヤクザだった主人公・峰岸が気がついたとき、自分が殺されたことに気づく。
自分は地獄へ行ったのだが、着いた場所はどうもイメージした地獄とは違う。
高級リゾートマンションに住み、ほしいものは全て手に入る。。。
労働はさせられるものの、生きていた時よりはるかに快適な生活。
しかし、「食事」だけは別の話であった・・・
小説のなかで、気づきのキーワードがたくさんありました。
何かと対立するように存在する自己なんて、本当はないんだ。
存在の全てが、自分なんだからね。
その、本当は存在しない『分離』があると錯覚しているから、人間は本当の世界が見えなくなってるんだ。
『自分と自分以外が存在する』という錯覚のせいで、その命さえも分割され、別々のものとして存在していると勘違いしている。
『生』という『始まり』があって、『死』という『終わり』があるという、その考えがそもそもの誤りなんだ。
『生』に対局はないんだよ。
『死』は存在せず、『生』だけあるんだ。
つまり、命には『始まり』という起点そのものがないいんだ。
本質的な救いは、自分が神であることを思い出すしかない。
愛を外にではなく、内に見つけなければならないんだ。
やくざだった主人公は、閻魔に導かれながら、本当の自分を思い出していく。
そして、人間界の戻っていくのだが、今度は肉体を持たずに、自分を殺した相手を守護するという「辞令」を授かるのであった。
ユーモアあふれるタッチで、「霊的真理」というテーマをおもしろおかしく追求しながら、主人公とともに「気づき」のプロセスを体験できる小説でした。
極楽飯店 | ||||
|
雲黒斎
http://blog.goo.ne.jp/namagusabose
1973年、北海道生まれ。グラフィックデザイナーを経て、札幌の広告代理店に入社。2004年、セロトニン欠乏による記憶障害をきっかけに、突然、黄色いTシャツ姿の守護霊とのコンタクトが始まる。その経験をもとに始めたブログ「あの世に聞いた、この世の仕組み」がネットで大きな話題に。2010年、ブログと同名の著書を発表。現在は東京を拠点に、全国で講演活動を続けている