「大いなる存在」こそが、「人間の本質」です。
「大いなる存在」は、人間のもっとも深いところに「ほんとうの自分」として存在しており、わたしたちはそこに「つながる」ことができるのです。
あなたが完全に、強烈に「いま」という時に集中していれば、「大いなる存在」を感じることができるでしょう。
「大いなる存在が、自分とともにある」という感覚を保ちつづけることが、「さとり」なのです。
「大いなる存在」は、本質的に「あなた自身」であると同時に、「あなたよりもはるかに偉大な存在」でもあります。
時間は幻
時間の概念を、捨てましょう。
時間は、幻にすぎないからです。
「過去も未来も幻である」ということこそが、真実なのです。
「いま」こそが、「唯一のもの」です。
存在するのは、それだけです。
永遠の「いま」こそが、わたしたちの人生のすべてがくりひろげられ、内包された空間であり、唯一の現実なのです。
過去には、なにひとつ起こっていません。
起こったのは、「いま」なのです。
未来には、なにひとつ起こりません。
すべては「いま」、起こるのです。
「いま、この瞬間」が、人生です。
人生は、「いま」だけなのです。
「いま」を受け入れる
人生に抵抗せずに生きると、優美で、朗らかで、平和な心境でいられます。
かたちあるものに執着しなくなったとたんに、「かたちある世界」の状況が、好転することが多々あります。
執着のない境地にいるかぎり、失うことへの恐れもありません。
人生は安らぎとともに、ゆるやかに流れていきます。
「手放すこと」の知恵
「手放すこと」は、人生の流れに逆らわず、身を任せるという、シンプルでありながら、とても奥の深い「知恵」なのです。
「手放すこと」は、「いま、この瞬間」を、なんの不安も抱かずに、無条件に受けいれることです。
「すでにそうであるもの」に対する心の抵抗を、捨て去ることです。
「手放すこと」をすれば、人生の状況にまったく影響されない「大いなる存在」につながることできます。
神の平和
災難がふりかかってきた時、その出来事には別の側面があることに、気づきましょう。
悲嘆にくれるのではなく、「自分は、素晴らしいことの、ほんの一歩手前にもいるのだ」ということに気づきましょう。
その一歩は、「手放すこと」と呼ばれているステップです。
「手放すこと」をすれば、恐れと痛みは、内奥にある「大いなる存在」からわき上がる「心の平安」へと変わってしまします。
これが、「人智の及ばない神の平和」なのです。
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エックハルト・トール
http://www.eckharttolle.com/
ドイツ生まれ。13歳までドイツで過ごす。ロンドン大学卒業後、ケンブリッジ大学研究員および指導教官となる。29歳の時、その後の人生を180度転換させるほどの劇的な霊的体験をする。以降数年間はこの時の体験を理解し、深め、知識として統合するための研究に費やし、魂探求の道を歩みはじめる。ここ10年間はカウンセラー、指導者として活躍。現在は世界各地で講演活動も精力的におこなっている。1996年よりバンクーバー(カナダ)在住