古代のハワイでは、言葉や祈りや呼吸、神々や神のつかい、愛にあふれた精霊たち、家族の絆や自然、マナが重要なものと考えられてきました。
古代ハワイには、様々な分野の専門家である「カフナ」と呼ばれる人たちがいました。
彼らは霊的な存在と交信し、その力をかりて予言や治療をおこなうシャーマンや魔術師の役割をはたしていたのです。
「フナ」とよばれる神秘的な教えは、ハワイ古代の知恵や文化から生まれたものでありながら、現代の生活にも役立てることができます。
フナはものごとの本質を見通す力をあたえてくれる奥深い教えです。
エネルギーの使いかたや、身体と心と魂を調和させる方法など、古代の人たちの経験にもとづき、実際に役立つ手法を紹介しています。
三つの自我
フナの教えでは、人は三種類の自我を持つといわれています。
1. 考える自我で、「自分」と感じているミドルセルフ
(中位の自我)
2. 感情・記憶・本能をつかさどるベーシックセルフ
(低位、基本の自我)
3. 人間の内に宿る神の性質であるハイセルフ
(高位の自我)
この三つの自我が調和すると、人はやすらぎを得て健康になるというのがフナの考えかたです。
フナでは、三つの自我を調和させる方法や効果的な祈りかた、争いの解決法、否定的な感情の取りのぞきかたなどを教えています。
これらを学ぶことで、自分の思いどおりにエネルギーをつかうことができるようになるのです。
そうすれば、幸せと成功を手に入れて人生を変えることができるのです。
自分を愛し、他の存在や大地をはぐくみ、すべての存在と調和しながら生きることがフナの本質です。
フナとは、あなたが取る行動そのものなのです。
フナは「この世界に存在する強い力」です。
この教えは日々の問題を解決し、人生をよりよいものにするのに役立ちます。
ハイセルフ(高位の自我)
ハイセルフは、「完全に信頼できる両親のような精霊」です。女性性と男性性の両方を持っていると考えました。
ハイセルフは個人に宿る神であり、霊的なガイド、守護神、天使とともに、その人の人生を通して手をさしのべてくれる存在といわれています。
人はハイセルフから、ものごとを見通す力やインスピレーション、ゆるぎのない愛を受け取ります。
病氣を癒すときや状況を判断するとき、他人と仲直りしたり、宇宙とつながるときにもハイセルフが手をかしてくれます。
ハイセルフは人がとてもリラックスしているときに、直感や予感の形であらわれます。
自我との会話
練習をつめば自我と会話ができるようになります。
ハイセルフとの対話は、沈黙とよばれる状態でおこなわれます。
ハイセルフとの交流が始まると、そこから必要なだけの智恵と導きを手に入れることができるのです。
自分の健康や愛する人々、そして困難な状況についての情報を受け取ることができます。
人が沈黙すると、三つの自我とコミュニケーションを取ることができます。
沈黙は、自分の内側に入り、混乱した外の世界と距離を置く合図になります。
フナにおける沈黙とは心を無にすることです。
そうすることで、三つの自我がコミュニケーションしたり、マナを集めたり、祈りをかなえたりすることができるのです。
愛が重要
三つの自我が協力し合えるかどうかのカギは「愛」です。
三つの自我がおたがいを思いやって愛にあふれた関係をきずき、どの自我も自分は愛され大切にされていると感じることができれば、その人は真の可能性を発揮することができるようになるのです。
特にベーシックセルフの感情と向き合うことはとても重要です。自分の感情を分析し、その感情をうまく処理することは、フナにおいてきわめて重要なことなのです。
ミドルセルフをしっかり働かせることも大切です。
人はものごとを観察し、情報を分析し、筋道を立てて考えなければなりません。
ベーシックセルフとミドルセルフが協力するようになると、人はハイセルフとつながることができ、智恵とインスピレーションを受け取ることができるようになります。
愛という共通の糸が三つの自我を編み合わせると、ミドルセルフが目標を定め、ベーシックセルフが実行に移し、ハイセルフが素晴らしい智恵をあたえてくれるようになるでしょう。
フナで最も重要な「マナ」
マナとよばれるこの目に見えない力の使い方を学ぶことが、フナでは最も重要なのです。
マナが霊的な力または生命力です。
病気やケガを癒すのもマナの力だと信じられています。
フナの業を成功させるにはマナが必要だといわれているので、マナはフナにとってきわめて重要です。
十分なマナを自由自在につかうことができれば、フナを実践して望みをかなえることができるといわれています。
必要なマナはマナはベーシックセルフによって集められ、たくわえられます。
そしてハイセルフに送られ、望みをかなえるためにつかわれるのです。
マナを集める
マナを得るためには、マナを増やす生活の仕方や、マナを取り入れる技術を学ぶといいでしょう。
マナを集める最も効果的な方法の一つに深呼吸があります。
マナは環境からも取り入れることができます。
海や湖のそばを歩いたり森や植物のそばで過ごしたりして、自然界の強いマナを分けてもらえるでしょう。
身体にいい食事をし、運動を習慣にすることでもマナを得られるのです。
瞑想の経験がある人なら、瞑想でエネルギーが高まることを知っているでしょう。
マナを多く集められる、身体にたくわえられると、体調がよくなり、心も明るくなります。
たくわえられたマナは治療をしたり、仕事での目標を達成したり、何かをつくりあげることなどすべての望みをかなえるためにつかわれます。
弱っている木や病気の動物にマナをあたえたり、あるいは世界平和に貢献するために自分のマナをつかうこともできるのです。
フナの教えをつかえば、マナをつかって自分の環境をよりよくすることができるのです。
ブロックを取り除く
ベーシックセルフが罪の意識や恥、恐れやうぬぼれなどをかかえていると、祈りのプロセスはじゃまされてしまいます。
ベーシックセルフからブロックを取りのぞく効果的な方法はいくつかあります。
一つは、ゆるすことです。
自分が傷つけた人たちに心からゆるしをもとめ、自分を傷つけた人たちを心からゆるすことです。
ポジティブに話すことも効果があります。
日ごろからポジティブに話すようにしたり、ものごとのいい面を見るようにすることで、ベーシックセルフからブロックとなる考えを取りのぞくことができます。
自分のことがよくわかるようになると、自分の感情の動きが理解でき、自分がどういうときに感情的になるのかわかるようになります。
そして自分の恐れや罪を確認し、それらを解放できるようになるのです。
さらに、仕事やお金について自分がどう反応し行動しているか、その理由は何なのかをつきとめることで、それらに対する自分の思いこみが明らかになります。
よりより人生をものにするために
フナでは、どんな人でもより大きな宇宙とつながるスピリチュアルな面を持っていると考えられています。
誰もが理論で動く頭脳や愛であふれる心を持ち、痛みや心地よさを感じることのできる素晴らしい身体をそなえていると考えられているのです。
フナは、頭脳、心、身体のすべてを大切にし、これらを調和させることを教えています。
そうすることで、すべての人の人生をよりよいものにしようとしているのです。
フナ―古代ハワイの神秘の教え | ||||
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シャーロット・バーニー(Charlotte Berny)
フナの認定カウンセラー・教師。フナをはじめとしたハワイのスピリチュアルな教えについて、20年以上研究を続けている。著述家、編集者としても活躍。夫とともに、アメリカのニューメキシコ州サンタフェ近郊に暮らしている。