私は、41歳のとき41日間の完全断食を、43歳では43日間の水だけの断食に挑戦し、不思議な体験をしました。
断食も30日目を過ぎると神がかり的になります。
そのとき「知識の海」「叡智」に接触できた感じがします。
光や植物などのエネルギーが感じられるようになり、植物、動物、そして虫などとも意識が通じるような感じになりました。
断食が35日を過ぎると、体の脂肪やエネルギーを使い果たし、動けない状態になります。
しかし、横になっていると、土の中のエネルギーが体の中に入ってきます。
そのエネルギーのおかげで、起きあがって水飲み場の渓流まで歩けるようになるから不思議です。
自然はよき波長に満ちている
断食が35日ぐらい過ぎてから、この世はすべては波長であり光であり、今の自分は永い魂の流れの一部にすぎないということが直感的にわかりました。
ある朝、瞑想していると音がさわやかというか、実に心地よい音がたくさん聞こえるのです。
周囲のいろんな物を見ると、すべての色が音になって返ってくる。
青い色や青い音色は心を休めてくれます。
緑の光や緑の音色は、肉体や細胞を生き生きとさせてくれました。
つまり、青い空と緑の中にいると、心と体が自然と休まり、いつしか自然にストレスが消えてゆくのです。
もともと、この世は気持ちのよい音色に満ちています。
「天は音楽に満ちている」と思いました。
私たち人間も植物と一緒で、太陽の光や大気中のエネルギーも摂ってるのです。
さまざまな生きものからもエネルギーをもらって生きているのです。
地球のオーラみたいなものから安らぎのエネルギーをもらえるようです。
すべてはつながっている
断食もその頃になると、動物たちとも心が通いあうようになってきます。
そしてすべての生きものは一つの糸でつながる、同じエネルギー体であるということがわかってきました。
エネルギーは銀の波長なのです。
すべてあらゆるものは同じで、音楽も色だし、色も音楽、自分の体も同じように音にきこえたり、光になったり、根っこは同じものなのです。
一つの光といいますか、ある意図を発しながら伝わって行く波動なのです。
エネルギーを整える
人々は日々の生活のことばかりで毎日悩んでいます。
人は本来、生活の向上を目ざすのではなく、そういうものを乗り越えた時代の流れ、宇宙意識などに対して、自分が生きている意味や使命を問いかけ、すばらしい宇宙エネルギーを体内に取り入れることに挑戦することです。
つまり、自分の価値観や人間としての質・格を上げようという志や、「心の力」であるエネルギーを整えることが大切なのです。
自分にエネルギーが満ちてくると、他の人にエネルギーを与えることができます。
そのエネルギーをもらった人は、エネルギーをくれた人を優しい人とか力づよい人というふうに感じるのです。
よきエネルギーがたまると、すこしずつ運が変わり始め、まわりの人の自分に対する言葉が変わってきます。
今までと違う出会いや人々と知り合いになってゆきます。
同じ心や同じ考え方をする人がこんな身近に、しかもたくさんいたことに驚き始めるでしょう。
それが、私たちが向上し始めたときの最初のシグナルなのです。
心の力の正しい実践
人生には、経済的生活をはるかに超えた、もっと根本的な魂の向上に目を向け、心の力の向上に努力してみる時間が必要です。
心の力を正しく実践すれば、不思議と繁栄の法則がわかります。
自分に必要な運や、お金や人の縁、その人独自の才能やチャンス等のロックがはずれ機能するようになってきます。
何があっても、いつもよかったと思ってごらんなさい。
どんなことがあっても、よかったと思うようにしてみなさい。
そうすると、必ず神様からプレゼントがやってきます
「うれしい」「たのしい」「ありがたい」以外の言葉をほとんど使わない日をつくって、トライしてみて下さい。
きっとまわりが変わってくるのに気づきます。
天に蔵を建てよ
「地に蔵を建てず天に蔵を建てよ」という言葉があります。
天に蔵を建てるとは、徳を積みなさいということです。
お金儲けだけに励むな、大きな家と地位をだけを目ざすなということです。
まさしく今世の生きる目的の一つは、自分の悪癖を乗り越えることにあると知るがいいでしょう。
この世とは、罪を重ねたときの心の痛みとそれを救う心の学びの教室なのです。
学びのチャンスを与えられているのです。
ありがたいことと知る必要があります。
また、「天に蔵を建てる」ということは、生きているうちに良きことをしなさいという意味です。
良きことというのは、人を許すことや、人によろこびを与えることです。
今世でしてことが、全部その因縁によって次の世界で生かされていく。
与えたものは必ず自分に返ってくる。
心が安定するようになる法則を、今世で学んでいくとよいのです。
それがまたあなたの次の転生の姿に、確実につながっていきます。
あの世にもってゆくのは、人に与えた悲しみと喜びだけということを知っておきましょう。
何事もこれで良かったと思う
「何事もこれで良かった」と思う
これも一つの法則なのです。
良かったと思うと、良いことが本当にやってきます。
どんなトラブルでも、どんな嫌なことでも、最低のことが起きたとしても、「まあこのくらいでよかった」と思っていると起こり得る要素の中で最大の良きことが自分にやって来ます。
病とか傷とかトラブルというのは、それ自体が自分の今までの「欲の結果」です。
大きな悲しみや病は、人生の苦の荷(業)が軽くなったことを知って下さい。
「大病した後に幸運がやって来る」という諺があります。
それは大病したことを感謝して業を落とし、自分の生き方を変えることに気がついた人に幸運はやってくるという意味です。
もっと人によろこびを分け与えることや自分の生き方を少し変えてみようと気がつくと、そこで運がゴロッと変わってくるのです。
ありがとうと言われるほうを選ぶ
あらゆることは必ず離れていきます。いつまでも手元にとどめておくことはできません。
死に際しては、この肉体でさえも、捨てていかないといけません。
あの世に何を持っていけるのは、人に与えた苦しみやよろこび、自分が犯した罪や、人を救ったことなど、そういった今世の記憶と、自分が行った行為だけが持っていけるのです。
魂の観点からいえば、「ありがとうとたくさんの人から言われる人生を送ること」がいちばん大切なのです。
どんな職業についても、その仕事を通して、人から「ありがとう」と言われるような仕事を目ざすこと。
仕事の延長に、人の感謝がある仕事を選ぶこと。
「ありがとう」と言われる道を選びたいものです。
心の力〈其の1〉心の法則 | ||||
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北川八郎(きたがわ・はちろう)
昭和19年福岡県生まれ。小倉高校を卒業し防衛大学校に入学するも1年未満で退学する。サラリーマンとなるが人生の答えを求めて退社。インド放浪の後、熊本県の阿蘇外輪山中に居を構え、満願寺窯で自然灰釉の器を創作する一方、自作農業に勤しむ。40日を超える完全断食を二度体験する中で、魂の存在意義、生き方の法則を解悟。著書に『自然灰釉の作り方』(理工学社刊)、講和集に『心にある力』『断食のすすめ』『対人苦からの解放』ほか全6巻などがある。