「楽天主義 “OPTIMISM”」ヘレン・ケラー

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楽天主義“OPTIMISM”

 

かつてひとりの非凡な少女がいた。

生まれて1年9ヶ月後、突如襲った病魔により、見えず、聞こえず、話せずという障害を受けてしまった。
しかし彼女は、自らの過酷な運命を克服したばかりか、盲人の自立を促す社会活動を行い、障害者の福祉に生涯を捧げたのである。

その人の名はヘレン・ケラー。

彼女は三重苦の聖女といわれた、二十世紀に活躍した偉大な女性である。

 

私は自分の障害に感謝している。
私が自分を見出し、生涯の仕事、
そして神を見つけることができたのも、
この障害を通してだったからである。

 

人生とは興奮に満ちた仕事の実践である。
最も興奮するのは、他人のために生きるときだ。

 

人生は、私たちが愛のなかで育つようにと、
神さまが与えてくださったものだと思う。

 

悲しみと苦痛はやがて「人のために尽くす心」という
美しい花を咲かせる土壌だと考えよう。
心を優しく持ち、耐え抜くことを学ぼう。
強い心で生きるために。

 

幸せの扉がひとつ閉じるとき、
別の扉がひとつ開く。
けれども、私たちは閉じたほうばかり見つめていて、
私たちのために開けられた扉に気づかないことが多い。

 

不幸せの極みにあるとき、
自分にはすべきことがあるのだと信じなさい。
誰かの苦悩を和らげてあげられるかぎり、
人生は無駄とはならない。

 

 

幸福の境地

誰もが自分の才能に見合った仕事を自由に選べるとしたら、人生はどれほど楽しいものになるだろうか。

幸福感に満ちて、充実した毎日を過ごせることにほかならない。

人生の目的は何か、などと堅苦しく考える必要はない。

楽しく生きて、この世を去るときに、
「生まれてきてよかった。幸福な人生だった」
と振り返ることができたら、その人は人生を楽天主義者として過ごせた成功者だといえる。

幸福は心の持ち方の問題で、外見から他人が判断できるものではない。

自分が納得のいく仕事をしたとき、美しい風景を眺めたとき、家族で和やかなに団欒しているとき、人は幸福を意識することなく心の安らぎに浸るのである。

その安らぎこそが、幸福の境地なのではないだろうか。

 

信じること

私は他人が善を行うことを愛するのである。

これらの善の活動は、私が助力しようと願おうが願わまいが、真実の人間観を樹立する証となるものである。

私は、誰もが最高のものとして信じている力、すなわち「秩序」「霊力」「自然」「神」の恩恵を認める。

万物を生育させ、存立させている太陽の力を認める。

私はこれらの不思議な力を仰ぎ、その導きによって善なるものが実現することを信じているため、これらを師として、また友として、それらが与えるどのような運命にも感謝し、歓喜し、勇躍して服従するのを光栄とする。

このことがまさに、私の楽天思想の思想的態度なのである。

 

神の世界で

私の考えるところでは、深遠で厳粛な楽天主義は、自分自身は神のなかにあるという強固な信念より溢れ出たものである。

神の大きな心はいっさいの真理に通暁し、あるがままに宇宙を包み込み、幻影を実体に変える。

また、絶えずやむことのない変化を見てとり、永遠で極まるところのない悟りの世界における実相の一要素とする。

私たちは宇宙のほんの小部分を手で掴むだけであるが、精神は宇宙全体を眺め、宇宙を支配する慈仁恩愛の法則を認めている。

 

未来への確信

世の中にはいまなお多くの邪悪があり、それら邪悪はいまだに掃討されていない。

しかし、我々楽天主義者は、洋々とした未来に希望を抱いている。

楽天主義者の信条のなかには、失望、落胆はない。

神の正義と人の尊厳を信じているからである。

現在のような、各民族が互いに抗争し、それぞれの主義主張が相争う惨憺たる修羅場のなかから、徐々に絢爛たる霊的新時代が現れようとしているのを我々は感じている。

この新時代においては、人類はみな「平和」を法律とし、「親和」を定則とし、「労働」を手段とし、「神」を天に戴く一同胞となるのである。

そうなれば、現在の諸民族間における対立はなくなるであろう。

 

私の信条

すべての信念を統括するものは、この宇宙を創造した偉大な力として、別に厳然と存在している。

そして、私があらゆる災害と艱難を克服して、信念を維持できるように守ってくれている。

楽天主義とは、善を信じ、輝かしい未来の到来を確信し、明日を今日より美しいものにするための努力を重ねる生き方なのである。

 

明日は今日より美しい。

明後日は明日よりさらに美しい。

楽天主義者はそのように信じている。

 

未来に対する希望と確信

「サクセス・マガジン」インタビューより

私はいま幸福の絶頂におります。

毎日が充実しています。

私の三重苦の障害は、神様が私に授けてくれた運命です。

この障害のおかげで、私は外部からの妨害や悪い影響などをいっさい受けることなく、積極的に考えて生活することができるのです。

障害は神様からの恩恵であり、私はこの運命に対し、心から感謝しております。

人は目的なり志なりを立てて、その実現に努力することが成功への道です。

その努力には、目的の財産や権力を得るのにふさわしい人格をつくることも含まれています。

努力をするから人生は楽しくなるのです。

精一杯の能力を注ぐことで、その努力は必ず報われます。

 

 

楽天主義“OPTIMISM”

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ヘレン・ケラー(HELEN KELLER)
(1880~1968)米国アラバマ州の裕福な家庭に生まれた。生後1年9ヶ月で熱病にかかり視力と聴力を失う。
1887年にアン・サリバンが家庭教師につき人生が変わる。本書「OPIMISM」は、ヘレンが1903年、大学在学中に初めて書いた処女作である。ヘレンは三重苦の身でありながら、88歳の生涯を障害者の救済のために力強く生きた。

 

 

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