自分の波動に合う現象がおこる
素直な心で物事を肯定的にとらえることは非常に大切です。
なぜなら心というのは波動だからです。
波動には波長があり、その波長は指紋のように人によってそれぞれ異なっています。
そして人間はこの固有の波長に同調するような事象にしか出合わないようにできています。
わたしたちの心が発する波長に同調する出来事だけしか、わたしたちには起こらないのです。
つまり、良い波長の持ち主には良いことが訪れ、悪い波長の持ち主には悪いことがふりかかってくるわけです。
心をいつも明るく保ち、物事を前向きに考えている人には、前向きな事柄が起こります。
感謝の心を忘れない人には感謝せざるをえないことが起こります。
仕事なら成功するし、研究なら成就する。
また、自分にプラスの結果をもたらす人にしか出会いません。
宇宙にある無限の力を活用する
正心調息法の最大の特徴は、腹式呼吸を行いながら、吸息・充息・静息のゆったりした循環に合わせて、心の力を使って想念を発する点にあります。
息を吸う間に「宇宙にある無限の力が丹田に収められ、全身に満ち渡った」と念じます。
次に息を満たす間に全身が健康になった、○○病が治ったなどと具体的な事柄を願い、念じます。
呼吸のリズムに合わせて想念もまた吸収、集中、放射させます。
それによって宇宙に偏在する無限の力を体内に集中させ、放射することで、心の波動をさらに強化し、願望の実現に役立てるわけです。
インドのプラーナも、中国の氣も、宇宙のエネルギーと呼ばれるものも、正心調息法もすべて、この宇宙無限力の偉大なはたらきの一部を活用しているにすぎません。
宇宙無限力はそれらすべてを包合する深遠無量のエネルギーであり、この宇宙に存在する唯一の統一概念でもあるのです。
物事を前向きに考える
物事をよい方向へ考える効果は、体の免疫力を高めるなど体の健康にまで及んでいることがわかってきています。
つまりそれは生き方の問題にとどまらず、心身両面の健全さを保持するうえできわめて大切な要素なのです。
自分に与えられた条件、目の前に開けた状況に対して常に肯定的、積極的なとらえ方をすることです。
たとえば病気をした場合、仕事ができなくなったり、金銭的な負担が発生したりというマイナス部分は出てきます。
しかし物事にはかならず二面性があります。
病気をしたことで人の心のやさしさに気づいたり、他人の親切のありがたさが本当に理解できたりするプラス面もあります。
だからどんなマイナス状況や経験でも、自分にとってよいほうへ展開するのだと肯定的に考えることが大切です。
感謝の心を忘れない
ありがたいという気持をいつも抱いていることが大切です。
心というのは波動であり、ことらが発している波長に見合った出来事が人間には起こります。
いつも感謝の念を心にもっていると、感謝せざるをえないことが次々と生起してきます。
ただありがたい、何に対してもありがたいと感謝する気持が大切です。
人間が毎日、無事平穏に生活を送っていることだけでも大変ありがたいことなのです。
わたしたちは決して自分の力だけで生きているのではありません。
家族や周囲の人の助けや好意、自然からの恩恵、そして目に見えない宇宙の無限力の営みを叡知によって、わたしたちは「生かされている」のです。
わたしたちの生が維持されている、そのこと自体に感謝する必要があります。
因果律のサイクルにそって生きる
この世にムダはありません。
すべてあるべくしてあり、なるべくしてなり、起こるべくして起こる。
それが宇宙の意思にもとづく必然の理(ことわり)です。
物事に失敗した、しくじった。
しかし、それも理由のないことではありません。
その失敗は次の善因となるのです。
今の失敗が次の成功を呼びこむ因となるのです。
悪いことがよいことにつながり、善が悪に通じていくすべてが因であり、果であり、それがまた次の因になっていく。
過去は現在の原因であり、現在の結果が未来の因となっていく。
この因果律の無限のサイクルのなかに、わたしたち人間を含めた森羅万象は存在しているのです。
これを知れば、幸も不幸も必然として受け止められるようになります。
前向きな心も感謝の念も自然にわいてくるようになります。
自然にプラス思考を手に入れることができます。
宇宙の理は人間に絶対的不幸をもたらすようには決してできていないのです。
いまこの瞬間を精一杯に生きる
今この瞬間を懸命に生きることが大切です。
世の中のいっさいは宇宙の意思の顕現です。
過去にこだわることなく、未来にあれこれ思い煩う必要もありません。
その決められた筋書きにそって、今この瞬間を精一杯に生きることが大事です。
なぜなら、現在、ただ今にすべてがあるからです。
『一瞬にすべてがある』
これは宇宙の理でもあるのです。
過去も現在も未来もない
高次元の世界では、過去も現在も未来もないのです。
時間の単線的な流れという現象の概念もありません。
すべて『今』という瞬間しかありません。
あるいは、今という一点に過去、現在、未来のすべてが含まれているのです。
もちろん、この「今」「一点」という表現も三次元における便宜的なもので、本当はそこにはその「今」もありません。
いわば『空』なのです。
その「空」の一点に、これまでの長い長い過去も、これからの長い長い未来も、そしてその永遠の時間の流れのなかに消長した、消長するであろう全存在物もすべて含まれているのです。
正心調息法により、その息吹を臍下丹田の一点に集めることは、宇宙の全存在を含む一点、をそこに集束することでもあるのです。
自在力―呼吸とイメージの力で人生が思いのままになる (サンマーク文庫) | ||||
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塩谷信男(しおや のぶお)
http://www.seishin-chosokuho.net/
1902年(明治35年)山形県生まれ。2008年没。1926年東京大学医学部卒業。京城帝国大学医学部助教授を経て、1931年東京・渋谷に内科医院を開業。1986年に閉院。医学博士