「道をひらく宇宙の法則」池口恵観

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「道をひらく宇宙の法則」池口恵観

 

衆生を救いたいという御仏の大慈・大悲の光は、この宇宙のあらゆるところにあふれています。

その光を受け取れるかどうかは、受け取る側の心の状態によって決まります。

物事が思い通りにいかず、苦しいとき、辛いとき、辛いときこそ、強い心で夢をいだき、目標を持って生きてください。

そうすることで、必ず道はひらけていくものです。

それが宇宙に定められた、不変の法則なのです。

 

一人ひとり光を持っている

真言密教では、この世の山川草木すべてのものに、仏さまの性質が備わっていると説いています。

この仏とは、密教では大宇宙そのものの大日如来を指しています。

私は大日如来をわかりやすく「光」、あまねくすべてを照らす大いなる光と解釈しています。

私たち人間一人ひとりも光を持っています。

この光は人の「運気」や「生命力」でもあります。

お大師さまが説くなかに、「背暗向明」という言葉があります。

どんなに暗く辛いことを背負っていようとも、暗い闇には背を向けて明るい光に向かうように生きなさい、という意味です。

どんなときでもそういう姿勢でいれば、必ずよいことがあなたに訪れるはずです。

心の奥から発する光のような、「きっとできる!」というパワーは、ほんのささいなことからでも少しずつあなたを変えていきます。

 

他人に返すことでパワーが得られる

『布施』とは自分の持っているものをほかの人と分かち合うことによって、本当の喜びを味わうという、仏さまの教えです。

その生命の分かち合いによって成り立っていることを、人と人との間で働かしていこう、これが布施の基本なのです。

「見返り」を求めいない行為が布施なのです。

布施には「財施」「法施」「無畏施」の三つがあります。

「財施」は、金銭や品物を人に施して、物質的に苦しんでいる人を助けることです。

寄付などもそのひとつです。

「法施」は、仏さまの法を説いて、困っている人に救いの方法を教えてあげることが法施です。

「無畏施」とは、自分の労力を使って他人を救うことです。

 

無財の七施

三種の布施でなくとも、布施はできます。

それが「無財の七施」という教えです。

「眼施」
目の施し、すなわち慈しみや優しさを持ったまなざしで人に接することです。

「和顔悦色施」
笑顔、微笑みはそれだけで布施なのです。

「言辞施」
「愛語」に通じる優しい言葉、思いやりのある言葉で人と接することです。

「身施」
他人に対する敬意や礼儀を払うこと、行動や体をもってつくすことです。

「心施」
他人への思いやり、心配りであり、見えないところで知らないうちに心を配ることが大切なのです。

「伏座施」
自分の座る場所を分かち合いなさい、ゆずり合う気持ちを持って生きていきましょうという教えです。

「房舎施」
房舎とは自分の家のことです。
家をきれいに掃除して、人が来たら気持ちよく招き入れ、自分の家のように安らかな気持ちにさせなさいという教えです。

 

「無財の七施」は、誰でも人への少しの思いやりがあればできることはたくさんあることに気づきなさいというものなのです。

まさに分かち合いの基本です。

人間は執着や煩悩から離れたほうが、よりよいパワーを持つことができます。

「自分だけ」「自分さえ」の心からはずれることで、より強いエネルギーが全身にみなぎっていくことを知っていただきたいのです。

 

「おかげさまの心」を取り戻す

日本人は昔から日常の挨拶において、「おかげさまで」という言葉を大変大事にしてきました。

この「おかげ」とは漢字で「お蔭」と書きます。

「陰」には神仏の霊的な加護、助けという意味があるのです。

日本人は黙って、太陽や大木や神仏に手を合わせて「おかげさまで」と心のなかで感謝をしてきました。

その気持ちは胸のなかでこだまするものです。

それは広くは宇宙、自然の恵み、そしてご先祖に対する感謝する気持ちです。

見えないけれど、深く結ばれている絆への感謝の思いなのです。

生命とは、この世に生きている形はそれぞれに違うけれど、その本質は同じものであり、水のように渾然一体となって流れているものです。

その流れの上流にはご先祖の霊があります。

仏さまは、この世に生きた体はなくなっても、体に宿っていた生命は宇宙にあると教えています。

私たちも上流のご先祖があってこそ、この世に暮らしていることを忘れてはいけません。

ご先祖という「森」を大切にすることで、下流の私たちは知らず知らずのうちに豊かな「海」の恩恵に浴することができるのです。

ご先祖の霊は「おかげ」の象徴ともいうべき存在です。

感謝の心、「おかげさま」を大事にして暮らしていきましょう。

 

祈ることで見えない力とつながる

太古の人間は、見えない大きな力を感じたときに、おそらく「祈る」という行為を覚えたのではないでしょうか。

護摩行は全身全霊を込めた祈りです。

行者はひたすら人々のために祈り、加持祈祷をおこないます。

行は宇宙のリズムと感応することで、生命の再生をおこなうものです。

祈ることで見えない力とリズムが感応していきます。

一人ひとりの命というものは、自分では気づいていない大きな力を持っています。

行をおこなうことで、宇宙と自分とが響き合っていくのです。

真言やお経も理屈で唱えるものではなく、ただ無心に大きな声で唱えていれば、御仏の叡智に感応して、自然に自分が輝いてくるものです。

自分の中から光が発されていくのです。

見えない力を感じること、それは霊性を健康にすることです。

つまり、「おかげ」を知る心を見つけることなのです。

 

 

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高野山真言宗 大僧正・傳燈大阿闍梨。鹿児島県肝属郡東串良町生まれ。1959年高野山大学卒業。山口大学医学博士、秘法「百万枚護摩行」達成行者。1967年宗教法人波切り不動最福寺建立。1971年学校法人最福学園を設立し幼稚園を経営。ロシア、フィリピン、日本の数多くの大学の客員教授・非常勤講師の肩書きを持つ。鹿児島・平川町にある最福寺には松本明慶大仏師による世界最大の木造佛・大弁才天が鎮座する。

 

 

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