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「日本人はいつ日本が好きになったのか」竹田恒泰

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竹田恒泰

 

「あなたは日本のことが好きですか?」

いまや、大多数の日本国民はこの問いに対して「好きです」と答えるだろう。

ところが、平成22年の時点では、日本のことを「好き」と言える人はごく少数だったように思える。

英国のBBC放送が20か国以上で数万人を対象に毎年行っている世論調査で「世界に良い影響を与えている国」として、最も高く評価されたのが日本だった。

2012年に発表された調査結果でも最高の評価を得た。

しかし、日本人の日本に対する評価の低さは毎年異常である。

日本を好意的に評価した日本人は、2102年の調査では41%と、パキスタンに次いで二番目の低さだった。

実際の日本は平和で、治安もよく、物質に溢れ、インフラも、学校や病院も整備され、文化の香り高い豊かな社会である。

しかし、そのような豊かな社会に暮らしていながら、たった41%の人しか日本のことを肯定的に捉えていないのは、極めて異常ではあるまいか。

これまで私たちは、国を愛したり好きになったりしてはいけないという教育を受けてきた。

 

連合国が日本を占領した目的

戦後の日本人が、誇りと愛国心をすっかり失ってしまった。

日本人が自虐的である原因は敗戦にあるのではないか。

占領軍が真っ先に改革を断行したのが「報道」と「教育」だった。

これらの分野では「WGIP(War Guilt Information Program、日本人の潜在意識に戦争についての罪の意識を植え付ける宣伝計画)」が実行されたのである。

連合国が日本を占領した最終的な目的は、日本を精神的に武装解除させること。

すなわち、日本人を精神的に骨抜きにすることである。

 

米国の究極の目的

米国政府は昭和20年(1945)「降伏後の初期の対日方針」を発表した。

このなかで「米国の究極の目的」の筆頭に、「日本国が再びアメリカの脅威となり、または世界の平和および安全の脅威とならざることを確実にすること」と掲げ、非軍事化と民主化を目標とする旨が記されている。

ところで、米国のいう「民主化」とは、「精神的武装解除」を意味している。

 

「東京裁判史観」に支配された日本

日本の軍国主義が否定されたことで、国を愛することが危険思想であるかのような誤った認識が広まってしまったことは、その後、日本を長く苦しめることになる。

日本人が愛国心を持たなくなったのは、WGIPが原因だったのだ。

日本人が日本のことを「好き」と言えなくなったのはこのときからだった。

かくして、占領下にGHQによって創造された「東京裁判史観」に支配された日本が、今日まで続いてきたのである。

 

歴史的に日本人は日本好きだった

日本は、2000年以上一つの王朝を保って現在に至る。

それは、軍隊が守ったからではなく、国民が守ったから実現したことだ。

それだけ日本人は日本の国を強い慈しみの気持ちで支えてきたのであり、日本人が国を好きと思う心は相当強かった。

日本はさまざまな外国との軋轢のなかで、いつも天皇と国民が一体となって、団結して困難を乗り越えてきたのである。

日本は島国であり、民族と言語が一致しているので、団結する力が強いことは、むしろ当然であろう。

しかも、日本の歴史を通じて、大規模な宗教戦争は経験がなく、為政者の権力闘争はあっても、住民が虐殺され、また玉砕するようなこともなく、連帯感のなかで歴史を刻んできた。

歴史的に日本人は日本が好きだった。

 

日本が輝くとき

近年、日本人が日本のことに興味を持った。

日本で日本ブームが起きたのは、戦後初めてである。

日本人が日本を好きになったのは、東日本大震災からではなかったかと思う。

これまで意識もしていなかったもの、家族や地域の絆や、日本人の精神に本当に価値があることを知った。

私たち日本人が原点に立ち返り、美しい日本の精神を取り戻し、その光のなかで立ち上がって本物の復興を遂げたときに、もしかしたら震災で亡くなった方々に報いることができるのかもしれない。

 

それでも、いまの日本はそれなりに輝いていると思う。

しかし、もし将来、真っ当な教育が施されるようになり、憲法第九条が改正されて敗戦コンプレックスから抜け出し、未来の青年たちが、日本人であることの誇りと、国を愛する心を持つようになったら、日本はどうなるだろうか。

そうなったら、日本は輝きわたると私は思っている。

 

 

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竹田恒泰
http://www.takenoma.com/
昭和50年(1975)旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。作家。慶應義塾大学法学研究科講師(憲法学)として「憲法特殊講義(天皇と憲法)」を担当。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。平成20年(2008)に論文「天皇は本当に主権者から象徴に転落したのか?」で第2回「真の近現代史観」懸賞論文・最優秀藤誠志賞を受賞。著書はほかに『旧皇族が語る天皇の日本史』『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『日本人はなぜ日本のことを知らないのか』(以上、PHP新書)、『日本人の原点がわかる「国体」の授業』(PHP研究所)、『現代語古事記』(学研M文庫)、『面白いけど笑えない中国の話』(ビジネス社)など多数。

 

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