「悟り」とは「受け入れること」
何か特別な勉強をしなくても、何年も修行しなくても、受け入れることさえできれば「悟る」ことはできるのです。
「悟る」ためには、過去・現在・未来のすべてを受け入れることです。
そのような「悟った状態」が得られるようになると、悩みがなくなり、心が穏やかで、にこやかに、幸せに生きることができる。
と同時に、流れに身をゆだねる。
不平不満を言わなくなる。
その結果として、自分の役目や役割も見えてくる、それを自然とやらされるようにもなり、何が起きようとも動じない自分になれるのです。
悩みがなくなる
「ストレス」が生まれる原因は、「悩み・苦しみ」です。
だったら、「悩み・苦しみ」を持たなければいいのでしょう。
ではどうしたら悩み・苦しみ」を持たずにいられるのか。
「思いどおりにしたい」という思いを持つことをやめること。
これだけです。
「こうありたい」「こうであって欲しい」という執着を持たなければ、「不平不満」「愚痴」「泣き言」「悪口」「文句」を言うこともなくなります。
「こうでなければならない」と執着している自分の「心」を覗いてみた時に、本当は「そうでなくてもいいのではないだろうか」と思う自分がいるかもしれません。
そういう自分も含めて、すべてを受け入れること。
それこそが「心を明らかにすること」でしょう。
ありのままに受け入れる訓練
私たちの悩みや苦悩は、私たちの中にある狭い価値観や好き嫌いの感情によって生まれているのかもしれません。
自分の思うような人であれば受け入れる、好きになる、自分の思うような人でなければ受け入れない、嫌いになる、という選び方をしている限り、私たちは悩みや苦悩から抜け出すことができないようです。
日常の中で大切なことは、目の前にいる人・こと・ものを好き嫌いで分ける訓練ではなく、すべてをありのままに受け入れる訓練をしていくことではないでしょうか。
使命・天命とは
「本当の自分」というのは、今、やるはめになっていることを100%やること。
「自分はすごい人のはずだ」「何かすごいことをやる使命があるはずだ」と思っている人ほど、「目の前のこと、人、もの」を大切にしていないのかもしれません。
今、目に前にあることをちゃんとやっていないと、次のステップはやってきません。
神様は、多分、上から見ていて、「普通のこともちゃんとやれていないのだったら、ほかのいろいろなことは任せられないよね」と思っているのかもしれません。
ただ、やるべきことを誠実にこなすこと。
それに尽きます。
生きていることに意味がある
今、生きている「私」が100%なのだから、今、やらされていることを淡々とやっていって、淡々と死ぬということが、人生をまっとうするということではないでしょうか。
私たちは、肉体を持ってこの世に生きていること自体に意味があるのです。
「私の人生には一体どんな意味があるのですか」と聞くこと自体意味がありません。
何か特別な大きなことを為すために、生まれてきているわけではない。
ただ生きているということ自体が意味を持っているのです。
喜ばれる存在になる
人間を奮い立たせ、元気にさせてくれる宇宙最大のエネルギーは「喜ばれる存在になる」こと。
つまり、「感謝される」こと。
「感謝される」とすごく嬉しくて、生きるエネルギーが持続します。
では、「感謝される」ためにはどうしたらいいのか。
それは、まず自分が感謝すること。
自分が感謝をすると、いつの間にか自分が感謝される人間になる。
感謝をしていると、感謝される人間になる、投げかければ返ってくる、しかも倍になって返ってくる、これが宇宙の法則。
つまり、「喜ばれる存在」になるということは、実は自分がまわりの人に感謝をすることです。
「感謝をする」と、ほかのどんなエネルギーを与えられるよりも、生きる気力が持続します。
しかも、このエネルギーは、ほかのエネルギーも連れてきてくれる。
温かさも、優しさも、笑顔も、お金も、すべて一緒に連れてきれくれます。
神様からの応援もいただける
感謝をすればするほど、感謝される人間になる。
応援・支援をいただくことができます。
それだけではなく、神様からの応援もいただけます。
感謝をしていると、神様からの応援というオマケもついてきます。
けれども、気をつけなければならないことは「神様仏様、この問題を何とかしてください」と言った途端、応援・支援は得られなくなります。
ないものをねだっているというのは、感謝ではありません。
今あるものに感謝をすることが、本当の「感謝」。
ですから、神社仏閣に行った時に、お願い事を言うのはやめて、今手にしているものに対して「ありがとうございます」と感謝をすると、神様はどうやら味方になってくれるようです。
喜ばれる存在になる
人間は、生きていく中で、「喜ばれること」に意味があるのです。
自分の生き方として、人と「競わない」「比べない」「争わない」ということが身についたら、生きることがどんなにラクになるかわかりません。
自分より弱い立場の人や、自分より力の少ない人に対して、気遣って生きることのほうが、人間として生きる本当の意味なのではないかと思います。
この世に生命を、肉体をもらった意味は、「喜ばれる存在」になるということだと思います。
悟りは3秒あればいい | ||||
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小林正観(こばやし せいかん)
http://www.skp358.com/
1948年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業。学生時代より潜在能力や超常現象に興味を持ち、旅行作家のかたわら研究を続け、今日に至る。年間約300回の講演会の依頼があり、全国を駆け回る生活を続けている。『宇宙を味方にする方程式』(致知出版社)、『「そ・わ・か」の法則』(サンマーク出版)、『もう一つの幸せ論』(ダイヤモンド社)など著者多数。2011年10月12日永眠。