宇宙の正体
宇宙の正体は「意識としての精神宇宙」です。
その精神宇宙が創造した物質世界のことを、私たちが普段「宇宙」と呼んでいるのです。
宇宙は、その本質である「精神宇宙」と、その創造物である「物質宇宙」との二重構造になっているのです。
私たちが目に見えて存在している物質宇宙とは、「成長を志向する無境界かつ無限界の普遍意識」である精神宇宙が、自らを成長させるために創造した「学びの場」です。
精神宇宙は、物質宇宙のように「形」や「距離」という概念を持たないため、物質宇宙における形や距離の概念に相当する尺度にあたるのが、「愛」という言葉で言い表される観念なのです。
したがって、「愛」という尺度によって、精神宇宙が、自分を測っているのです。
精神宇宙は、無限の「愛」を実践したいと願っている存在です。
いかなる厳しい条件においても自らの愛が無限であることを確かめようとしています。
物質宇宙というのは、精神宇宙が「試練」と「喜び」という二つの方法を通じて、自らの「愛」が無限であることを試し、表現するための場なのです。
地球という星
地球は、精神宇宙がさまざまな「試練」と「喜び」を通じて自らの愛を確かめ、成長しようとして創造した物質宇宙の中にある学びの場のひとつです。
地球上に限っていえば、「人間」として数多くの人生を送ることであり、人間としての「生まれ変わり」を繰り返しながら、成長していこうとします。
人生の目的
私たちが生まれてくる理由は、生まれてこなければ経験できない貴重な学びの機会があるからこそ生まれてくるのです。
「死」や「病気」や「人間関係」などの「思い通りにならないこと」を通じて学ぶことこそが、人間として生きる目的・意義・意味なのだといえるでしょう。
「ソウルメイト」とは
「ソウルメイト」という概念は、まさに「人間関係」についての問題集を用意するための格好の素材となります。
ソウルメイトたちと共に「死」や「病気」などをめぐる体験を共有することによって、人間の基本的な学びのテーマを、ますます効果的に味わうことができるのです。
ソウルメイトとは、私たちのあくなき成長欲求を満たすための「学び」の手段として、精神宇宙がみずから用意した仕掛けであるといえます。
「たがいに試練を与え合うこと」と「たがいに喜びを与え合うこと」こそが、ソウルメイトの存在理由であるといえるでしょう。
「運命」とは
「運命」とは、人生において予定通り順調に現われてくる試練や喜び、出逢いや出来事のことを総称するものです。
その運命に出会った時にどのような言動を取るかによって、自分の意思で、その後に進む道を、選び取ることはできるのです。
人生の中で次々と目前に現われてくる分岐点において、どの選択肢を選ぶのかにより、その後の人生展開が変わってきます。
常により愛のある、創造的な選択をしていくことが最も理想的な選択肢を選び続ける鉄則だということです。
これ以上の「必勝テクニック」は存在しないはずなのです。
人生という問題集
生まれる前に人生を計画するのは、自分で選んだ試験問題(試練)が、ちょうど良い時に起きてくるように、自動発生装置を仕掛けておく作業だと言えます。
その試練に直面した自分が、一体どのような言動をとるのかによって、その後の人生が大きく違うものになっていくわけです。
人生の分岐点において、どのような道を選んだとしても、価値の無い無駄な道を歩むことにはなりません。
人生では、いつからでも「やり直し」がきくようになってます。
たとえ今回の人生で多くの課題をやり残したとしても、人生を終える前にそれに気づき、わづかでも良い方向へ向かって、その過ちを取り消そうとしたかどうかということが問われることになります。
自分で計画した人生という問題集は、どのような理由があったとしても、途中で投げ出してはなりません。
人生には自分に解ける問題しか用意していないのですから、自信を持ってチャレンジすれば良いのです。
困難な問題に挑戦している自分に誇りを持って、「自分にならば絶対に解けるのだ」という信念を忘れずに、人生という問題集に挑戦してみましょう。
仕事関係のソウルメイトから学ぶこと
職場というのは、自己の本質を発見し、自己を拡げたり深めたりすることによって、自己の価値と可能性を高める成長のための機会であるに違いありません。
一般的に「仕事」と呼ばれるものが、「損得勘定」によって成立する経済活動であるからこそ、逆に「仕事」を通じて、自分を損得勘定から解放することに挑戦できるということです。
人生には、愛する決心をすると、損得勘定から解放されて、自分がいちばん楽になる」という法則があります。
特に職場の人間関係において、大きな効果を発揮します。
どの職場に配属されても、そこに存在する人々を愛そうと決心してしまうことです。
自分を人間関係の損得勘定から解放し、自分を楽にすることに挑戦するのです。
そもそも勘定(計算)しないのだから、プラスとマイナスの判断さえ必要ないという状態に自分を置き、全ての人を「あるがままに」受け入れておけばこれほど楽なことはありません。
職場で、誰かに嫌なことを言われても、平然と受け流しておけば良いのです。
平然と受け流すことができるようになれば、あなたはその試験を乗り越えて、問題を解いたことになります。
仕事を通じて学ぶこと
どのような仕事が自分のもとへ巡ってこようとも、愛することにしようと決心するのです。
この人、この職場、この仕事を愛するのだと自分自身に誓った時点で、もう私たちは、それらを巡るすべての悩みや不安から、解放されるためです。
職場や仕事を使いこなすためには、どのような人、どのような仕事を与えられたとしても、損得を考えないで受け入れ、その中で「自分らしさ」を追求する必要があります。
人間が働くということは、「世の中に対して、自分なりの価値を生み出す」ということです。
自分は宇宙の構成要素なのだという誇りを持ちながら目の前の職場で働くべきではないでしょうか。
仕事とは、宇宙に向かって自分という魂の存在を主張する大チャンスなのですから。
失恋のしくみ
人間にとって、失恋するということほど、おおきな成長の機会はありません。
そのため、人生というプログラムにおいては、一定の学びの水準に達するまで、失恋という経験を積み重ねることが重要な研修メニューとなることが多いようです。
だからこそ、私たちは生まれる前から、人生の要所や節目に、つらく苦しい失恋体験を用意しておくわけです。
辛く悲しい失恋ほど、大きく深い意味のある、価値の高い貴重な体験であることは、間違いありません。
失恋という試練は、異性関係について学ぶために生じてきた、素晴らしい現象なのです。
夫婦関係のソウルメイト
ソウルメイトの観点からみると、結婚には「プロジェクト」型の結婚と、「ツインソウル」型の結婚があります。
プロジェクト型の結婚は、異なる人生経歴と個性を持つ、別個のソウルメイトどうしが、その人生で何らかの共通目的を達成したり、二人の間に存在する何らかの共通問題を解決するために、夫婦になる約束をすることを言います。
ツインソウル型の結婚
もともと一つの魂が、生まれる時に二つに分かれて、別個の肉体につながっていった場合に、それら二つの魂どうしを、「ツインソウル」と呼びます。
「ツインソウル」型の結婚とは、二人のツインソウルが、人生の途中で予定と通りに出逢って結婚することにより、「肉体は二つでも魂は一つ」という、一心同体の夫婦として生きていくことを言います。
「自分の魂の分身とペアを組む」ということになるのです。
ツインソウル型の夫婦の特徴は、性格や価値観がまったく違うにもかかわらず、なぜか、ほかの人とは比較にならないほど大きな、理屈を超えた安心感で結ばれるということです。
ただ「ありのままの自分」でいるだけで、不思議なほどうまくいくのです。
ツインソウル型の結婚が計画される理由は円満で充実した夫婦生活から得られる、無尽蔵に愛のエネルギーを用いて、大きな課題に挑戦しようということに集約されます。
結婚しない人生
必ずしも、毎回の人生で、誰かと結婚しなければならないわけではありません。
「結婚」という体験は、数ある学びの方法のひとつにすぎないからです。
自分の効果的な成長をはかるためには、必要に応じて、結婚しない人生を計画しておくことも少なくないのです。
今回の人生では、世のため人のためと大きな使命を持って生まれたため、それに専念できるよう、独身のままで一生を送ることが「きわめて順調」だということになります。
特に、医療・福祉・教育・環境などの仕事に従事するよう計画して生まれる場合に、このようなパターンが多いようです。
「愛」の本質の追求
結婚相手というのは、相手と最も深く愛し合えるという理由で選ぶというよりも、その相手との関係を通じて、どうしても学ばなければならないことがあるという理由を中心にしながら選ぶことになります。
そのため、結婚というのは、すべてを解決してくれる「ゴール」ではなく、むしろ、そこから新たな課題が次々と生じる「スタート」地点にすぎないのです。
貴重な経験を通じて学び、自分を高めていき、愛するということは、自分自身の精神的成長の問題なのだということに気づくことなのです。
終わりなき成長の旅
結婚するということは、たがいの関係を真剣にみつめて、より一層、相手にきちんと向き合わなければならなくなるということです。
だからこそ、結婚後も、自分をどんどん高めていって、いつまでも相手にとって魅力的な人でいられるように努力しなければなりません。
結婚生活とは、決して恋愛関係の到達地点ではなく、いつまでもソウルメイトを魅了しておくための、終わりなき成長の旅であると言えるでしょう。
人生という名のテーマパーク
人生というのは「喜怒哀楽の旅」ですから、実際の旅行と同じように、「また来てみたい」と思うためのコツがあります。
それは、上手に「やり残し」を残しておくことです。
目の前に順調に現われてくる問題を、できる範囲で、着実に解いていこうと考え、解き残した問題には、また、次の人生で挑戦すればいいやというくらいの楽な気構えでいれば良いのではないでしょうか。
この物質世界で人間として生きなければ体験できない貴重な喜びも、大いに味わっていけば良いのです。
私たちは、今、「試練」と「喜び」のたくさん詰まった、「人生という名のテーマパーク」に遊びに来ているのです。
今この瞬間に、「人生という名のテーマパーク」に来訪できている自分の幸せに感謝しながら、ぜひとも、また人間として生まれて来たいと思えるように、日々の生活を充実させ、大いに楽しんでおきましょう!
ソウルメイト (PHP文庫) | ||||
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飯田史彦
http://homepage2.nifty.com/fumi-rin/
1962年、広島県生まれ。経営心理学者、カウンセラー、音楽療法家。1990年より19年間、国立大学法人・福島大学経済経営学類の助教授・教授を務め、東北大学大学院、筑波大学大学院などでも開講。2009年3月末で教授職を辞し、社会奉仕施設、「光の学校」を設立した。また、「飯田史彦メンタルヘルス・マネジメント研究所」も開設し、一般企業や医療・福祉・教育機関などの依頼で経営コンサルティングを行いながら、講義CDなどを発表している